
執筆者:山根(ヤミ金問題解決アドバイザー)
闇金・多重債務問題の相談支援に長年従事。多くの方の闇金トラブル解決をサポートしてきた経験をもとに執筆しています。
※個別の法的判断については、弁護士・司法書士へのご相談をお勧めします。
ヤミ金被害について調べていると、「警察はヤミ金を逮捕できない」というウワサを目にすることがあります。
果たしてこれは本当なのでしょうか。
答えを先に言うと、警察は実際にヤミ金を逮捕しています。
ですが、多くの被害者が期待するような「すぐに逮捕される」という流れにはならないことが大半です。
このギャップこそが、「警察は逮捕できない」という誤ったウワサを生み出している要因なのです。
この記事では、警察がヤミ金を逮捕できる場合と難しい場合の違い、実際の逮捕事例、そして被害者が本当に必要とする解決方法について、詳しく解説していきます。
ヤミ金から暴力を振るわれた、刃物で脅された、命に危険がある場合は、迷わず警察に通報してください(110番)。
この場合、弁護士・司法書士への相談と並行して、警察への通報は必須です。
「警察はヤミ金を逮捕できない」というウワサ
ネット上でヤミ金について調べていると、こうした意見を見かけることがあります。
「警察はヤミ金を逮捕できない」「警察に相談しても犯人を捕まえてくれない」「民事不介入だから警察は動かない」
これらの情報は、被害者の不安を増幅させます。
実際に、ヤミ金からも「警察には言うなよ。言ったらどうなるか分かっているだろ」という脅しを受ける方も少なくありません。

こうしたウワサが広がってしまうのには、実は理由があります。
警察がヤミ金を逮捕する仕組みと、被害者が期待する対応の違いを理解することが大切です。
実際の逮捕事例から分かること
まず重要なのは、警察が実際にヤミ金業者を逮捕しているという事実です。
「ヤミ金」で熊本市に住む男逮捕 貸金業法違反の疑い 【熊本】
https://www.fnn.jp/articles/-/48839
高金利ヤミ金疑いで68歳男を逮捕 兵庫県警
https://www.sankei.com/affairs/news/200608/afr2006080030-n1.html
こうしたニュースを見れば、警察はヤミ金を捕まえる能力を確実に持っていることが分かります。

では、なぜ「警察はヤミ金を逮捕できない」というウワサが存在するのか。
その理由を次から詳しく説明していきます。
警察白書が示す検挙実績
「平成30年警察白書 統計資料」によると、平成29年には882件のヤミ金融事犯等が検挙されています。
ただし、ここで注意が必要です。
「ヤミ金融事犯等」という統計には、
貸金業に関連した犯罪収益移転防止法違反、詐欺、携帯音声通信事業者による契約者等の本人確認等及び携帯音声通信役務の不正な利用の防止に関する法律違反等
も含まれています。
つまり、以下のような被害者側の行為も検挙数に含まれているのです。
- 返済できなくなった被害者が、ヤミ金から「銀行口座を渡せ」と強要されて渡す
- 返済の代わりとして「携帯電話を契約してこい」と言われて契約させられる
- 返済ができないため「出し子として現金を引き出せ」と強要されて実行する

こうした被害者の行為も「犯罪」として検挙数に含まれているのです。
つまり、ヤミ金そのものの逮捕数は、この882件よりも圧倒的に少ないということになります。
警察がヤミ金を逮捕できない場合がある理由
警察はヤミ金の身元が判明しない限り、逮捕することができません。
ヤミ金は警察に捕まらないための対策を念入りに実施しているからです。
- 他人名義の銀行口座を使用して入金・出金を行う
- トバシ携帯と呼ばれる不正に入手した携帯電話を使用
- 出し子と呼ばれる実行犯を雇って現金引き出しを実施
- 事務所を持たず、賃貸ビジネスホテルなどから営業
- 連絡先を頻繁に変更

つまり、ヤミ金業者は警察に捕まらないための工夫を徹底しているため、警察が身元を特定するには相応の時間を要するということです。
警察に相談しても「すぐ対応」にはならない現実
ヤミ金被害者の多くが期待する流れは、こうです。
「警察に相談する → 警察が捜査を開始 → すぐに犯人を逮捕」
ですが、現実はそうではありません。
警察がヤミ金被害の相談を受けても、ただちに捜査が開始されるわけではないのが通常です。

警察は誤認逮捕やえん罪を避けるために、どうしても慎重になります。
そのため、確実な証拠と被疑者の身元確認まで、かなりの時間をかけることになるのです。
仮に警察が本格的に捜査を開始したとしても、逮捕に至るまでには相当な日数を要します。
- 被害者からの聞き取り
- 通話記録や送金記録の収集
- 被疑者の身元特定
- 必要に応じて令状の取得
- 逮捕
この一連のプロセスを経る間、被害者はヤミ金の取り立てや嫌がらせに苦しみ続けることになります。
警察へ相談する際の注意点
警察への相談は重要です。
ですが、被害者が受ける恩恵よりも、警察に相談することによるリスクを理解しておく必要があります。
被害者が単独で警察に相談する場合のリスク
被害者が警察に通報したという情報を知ると、ヤミ金業者は報復として嫌がらせや取り立てを激化させることがあります。
理由は単純です。
身元がバレないようにしているため、報復行為をしても捕まらないという確信があるからです。
その自信が、強硬な報復行為を可能にしているのです。
では、被害を止めるにはどうすべきでしょうか。
答えは、弁護士・司法書士に相談することです。
弁護士・司法書士経由での相談が有効な理由
被害者が単独で警察に相談した場合、警察は慎重に捜査を進める必要があります。
証拠を揃え、被疑者を特定し、手続きを進めるなど、時間がかかるのが通常です。
この間、ヤミ金は「身元がバレていない」という自信のもと、営業を続けることができます。
しかし、弁護士や司法書士が被害内容をしっかり整理して、具体的な証拠とともに警察に届け出ると、状況が大きく変わります。
警察は受理した届出に基づいて、具体的な捜査を開始できるようになるからです。
捜査が進むと、重要な変化が起きます。
ヤミ金が使用している銀行口座や携帯電話が、犯罪に使われた可能性のある口座・回線として登録されるのです。
結果として、銀行が口座を凍結し、携帯キャリアが回線を停止することができるのです。
✅️銀行が口座を凍結する
✅️携帯キャリアが回線を停止する
ヤミ金にとって、銀行口座と携帯電話がなくなることは、事実上の営業停止を意味します。
だからこそ、弁護士や司法書士が介入すると、ヤミ金は手を引かざるを得なくなるのです。

つまり、弁護士や司法書士に間に入ってもらうことで、警察への相談がより安全で効果的になる可能性が高いということです。
被害者が単独で警察に相談すると、逆にリスクが増す傾向があるので注意が必要です。
被害者が最優先すべき解決方法とは
ヤミ金問題の解決において、最も重要な要素は何でしょうか。
答えは、「早期解決」です。
被害者の心身の安全と生活を取り戻すには、ヤミ金との関係を一刻も早く断つ必要があります。
警察による逮捕は、ヤミ金に社会的な制裁を与える意味で重要ですが、被害者の救済を最優先に考えると、まずは被害を止めることが先決なのです。
弁護士・司法書士に相談するメリット
取り立てを即座に停止できる
弁護士や司法書士が介入すると、ほぼ確実に取り立てが止まります。
これは、被害者が一日でも早く心身を休めるために、非常に大切です。
交渉による返済ゼロ和解も可能
ヤミ金の多くは、違法な高金利と強引な取り立てによって成立しています。
法的には支払う義務がありません。
弁護士・司法書士の交渉により、返済ゼロで和解することは十分に可能です。
警察への相談もサポート
弁護士・司法書士が間に入ることで、警察への相談もより実効的になります。
専門家が被害内容を整理して警察に届け出ると、警察の捜査が具体的になり、ヤミ金の口座凍結や携帯停止につながります。
被害者の安全面でも、この流れは重要です。
ヤミ金に対する強い抑止力
弁護士・司法書士が介入すると、ヤミ金業者の行動が大きく変わります。
理由は、専門家が関わることで、銀行口座の凍結や携帯電話の停止という「営業停止」に追い込めるからです。
逮捕されることよりも、営業ができなくなることの方が、ヤミ金業者にとっては深刻な打撃となるのです。
その結果、被害者への報復行為もなくなります。
今すぐできる対応
ヤミ金被害に遭ったら、どのような対応をすべきでしょうか。
まず最初にすべきこと
✅️ヤミ金とのやり取りを記録に残す(メール、SMS、通話記録など)
✅️被害内容をメモに記録(日時、内容、金額)
✅️一人で判断せず、必ず弁護士や司法書士に相談する
✅️相談するまで、ヤミ金への連絡は最小限に
この4つのステップを踏むことで、被害者としての対応が整い、弁護士・司法書士への相談がより効果的になります。
特に重要なのは、3番目の「必ず弁護士や司法書士に相談する」というステップです。
一人で判断して警察に直接相談したり、ヤミ金に返金を交渉したりすることは、さらなる被害を招く可能性があります。
警察は逮捕できるが、被害者はすぐの解決が必要
この記事をまとめるなら、ポイントは以下の通りです。
✅️警察は確かにヤミ金を逮捕する能力を持っている
✅️ですが、逮捕までには相応の時間を要する
✅️被害者が単独で警察に相談すると、嫌がらせや取り立てがエスカレートするリスクがある
✅️被害者にとって最優先は「早期の被害停止」
✅️ヤミ金に強い弁護士・司法書士なら即日対応が可能

まずは専門家に相談することが最優先です。
弁護士や司法書士が介入することで、取り立ては即座に止まり、その後の解決へ向けた対応が始まります。




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