闇金解決アドバイザーの山根です。
今回は、かなり気になる噂を見つけました。
「闇金に殺される」
という、かなりセンセーショナルな話です。
ヤミ金に借金を返せないと、殺されてしまう…もし本当なら、大変な事件です。
こんな危険性が本当にあり得るのか、闇金解決アドバイザーとして、しっかり解説していきます。
闇金に殺される!そんな心配は本当にある?
「借金を返せないと、闇金に殺される」
こんな噂がネット上にチラホラと書き込まれています。
掲示板や質問サイト、SNSなど、いろいろな所でたまに見かける噂です。
口コミも気になるところですが、もし本当に殺されちゃったら、口コミも書けませんからね…。口コミ調査はできないテーマです。
そんなわけで今回は、
闇金は、本当に返済できない人を殺しに来るのか
本当に闇金に殺された事件はあるのか
といった観点で調査を行ってみました。
闇金に殺されることはない…でも本当に?
本題に入る前に、僕たち闇金解決の専門家がどう考えているのか、かんたんにご説明させてください。
基本的には、ヤミ金が債務者を殺す、ヤミ金に殺される…というリスクは低いと言われています。
「闇金に殺される心配はない」と書いてあるサイトも多いですね。
闇金の目的は、あくまでお金を稼ぐこと。被害者を殺害してしまったら、それ以上お金を搾り取ることはできません。それに、さすがの闇金にとっても、“殺し”はハードルが高すぎるでしょう。
そういった理由もあって、「闇金に殺される心配はない」という意見も多くなっています。
ただ、実際に起きた事件を見てみると、「闇金に殺される心配はない」とは言い切れないんです。
闇金に殺されるリスクはあり得る!
ですが実際には、「闇金に殺された」と言える事件が日本国内でも発生しています。
また、闇金解決アドバイザー山根として最近気になるのは、「個人融資」のリスクですね。こちらもトラブルがこじれて、殺人事件に発展してしまう恐れがあると考えています。
個人融資掲示板のような、いわゆる「闇サイト」を原因にした殺人事件も、過去に事例があります。
こうした現実を総合的にみると、「闇金に殺されるリスクは、あり得る」というのが、僕の結論です。
闇金に殺される!その危険性を示す、実際にあった事件
闇金に殺される可能性は、ゼロではない-。
それを示すために、これから実際にあった事件をご紹介します。かなり重い話になりますから、心の準備をお願いします。
卑劣な犯罪によって命を奪われてしまった犠牲者の皆様に、心よりご冥福をお祈りいたします。
それでは、事件の内容について、詳しくお話していきましょう。
闇金の取り立てで、一家3人が犠牲に…八尾市ヤミ金心中事件
一つ目にご紹介するのは、「八尾市ヤミ金心中事件」です。“史上最悪のヤミ金事件”と呼ばれています。
この事件をキッカケに、出資法と貸金業法の改正が行われています。国の法律を変えるほどの重大事件だったんです。
事件名 | 八尾市ヤミ金心中事件 |
発生日時 | 2003年6月14日未明 |
発生場所 | 大阪府八尾市 |
犠牲者数 | 3名(いずれも死亡) |
原因 | 闇金による高金利と取り立て |
事件が起きたのは、2003年6月14日未明。場所は大阪府八尾市です。69歳の主婦と61歳の夫、そして主婦の兄である81歳の男性が、JR西日本関西本線の踏切に飛び込み、投身自殺をしてしまいました。
原因は、ヤミ金による執拗な取り立て、そして違法な高金利です。
キッカケは、たったの1万5000円
キッカケとなったのは、たったの1万5000円の借金です。
たったこれだけの借金が、ヤミ金の違法な金利で、10倍以上にも膨れ上がりました。
当時の事件記録によれば、「利子だけで毎週1万5000円」。元金と同額の利息を、1週間ごとにヤミ金に奪われていたんです。
バイト先、友人、近所にもヤミ金の嫌がらせ
さらにヤミ金は、執拗な取り立ても行っていました。本人の自宅だけでなく、アルバイト先、友人宅、さらには無関係な近隣住民のところにまで、脅迫や嫌がらせを続けていました。
連日のように取り立ての電話を掛け、脅迫し、本人だけでなく、周囲の人まで巻き込んでいました。
高金利と取り立てを苦に自殺…「闇金に殺された」も同然
この事件、ヤミ金が手を下して殺害したわけではありません。ですが、闇金の高金利と、しつこい取り立てを苦に、一家3人が心中自殺してしまいました。
本当に胸が痛みます。
これは本当に、「闇金に殺された」と言っても良いでしょう。
2009年の大阪地裁で、「一家の心中と、ヤミ金による脅迫とは因果関係がある」と認められています。つまり裁判所も、「ただの心中ではなく、ヤミ金に殺されたようなもの」と認めたわけです。(大阪地裁 平成21年1月30日判決)
ソフト闇金の金利でも、“人が亡くなっている”
「人を死に追い込むなんて、とんでもないヤミ金だ」
「昔の闇金は過激だったんだな…」
と思うかもしれません。しかし、これは“昔の闇金”に限った話ではないんです。
この事件の記録を見て、僕は利息に注目しました。
被害者を自殺に追い込んでしまったのは、1週間ごとに1万5000円の利息…。これは、ソフト闇金で5万円借りた場合と、ほぼ同じ利息です。
「一週間で3割」という、ソフト闇金によくある金利で、5万円を借りると、利息は1週間で1万5000円…。この事件と同じ金利になるんです。
つまり、ソフト闇金は「人を死に追い込むほどの金利」を取っているんです。本当に、どこがソフトなんでしょうか。
個人融資掲示板にも同じ危険性が!「闇サイト殺人事件」
もう一つ、ヤミ金とは直接の関りはありませんが、「個人融資」を考えると見逃せない事件があります。
2007年に愛知県内で発生した、「闇サイト殺人事件」です。
事件名 | 闇サイト殺人事件 |
発生日時 | 2007年8月24日深夜 |
発生場所 | 愛知県名古屋市 |
犠牲者数 | 1名(死亡) |
原因 | 金銭目的の犯人による拉致・暴行 |
事件は2007年8月24日、深夜に発生しました。闇サイトを通して共謀した犯人らが、31歳の女性を金銭目的で拉致。暴行を加え、殺害に至った事件です。
被害に遭われた方のことを思うと、こちらも本当に胸が痛い事件ですね。改めて、ご冥福をお祈りいたします。
「個人融資掲示板」も、闇サイトと同じ
この「闇サイト殺人事件」、ヤミ金とは直接の関りはありません。ですが闇金解決の専門家として、僕はこの事件にピンと来るものがあります。
「個人融資掲示板」です。
闇サイトも個人融資掲示板も、どちらも本質は同じです。
お金目的で、面識のない人たちがやり取りをする
違法行為が平然と行われている
…といった点に共通点があります。
掲示板やSNSの個人融資も、正体は違法なヤミ金ですからね。個人融資掲示板も、闇サイトと言って良いでしょう。
掲示板に個人情報を晒されて、無関係な誰かに殺される
「闇サイト殺人事件」の事例を考えると、個人融資掲示板でも、お金のトラブルになって逆上した相手に殺されてしまう…といった危険性は十分ありそうです。
しかも、それだけではありません。
「闇サイト殺人事件」で犠牲になった女性は、実は、犯人グループとは何の面識もない、ただの通行人でした。強盗目的で拉致され、殺されてしまったのです。
こうした事件を企んでいる犯人が、もし個人融資掲示板を見たら、どうでしょうか?
そこには、返済を滞納して、“晒された”人たちの個人情報も書き込まれています。
晒された個人情報を見て、
「よし、こいつを襲って金を奪おう。大した金は持っていなくても、何か奪えるものがあるだろう」
…と考え、「闇サイト殺人事件」のような犯行に及ぶ犯人がいないとも限りません。
闇金や個人融資で借りて、個人情報をネットにばら巻かれ、それを見た別の凶悪犯に狙われ、殺される…。こうした危険性も考えなければいけません。
「闇金に殺される」は、十分にあり得る危険性!
それでは、まとめに入りましょう。
「闇金はお金目的だから、殺される心配はない」
「殺人はヤミ金にとってもハードルが高いから、そこまでの危険はおかさない」
というのが一般論です。
これ自体は、僕も否定はしません。
ですが「万が一」を考えると、闇金に殺されるリスクは、決して無いとは言い切れません。
闇金に直接手を下されなくても、金利と取り立てで追い詰められ、自殺に追い込まれてしまった「八尾市ヤミ金心中事件」もありました。
また、闇サイトを通して共謀した犯人に、まったく面識のない女性が殺されてしまった「闇サイト殺人事件」もあります。同じことが、個人融資掲示板で起きないとも限りません。個人情報を晒されてしまった人は、まっさきに狙われる恐れがあります。
こうした過去の痛ましい事件を振り返ると、
「闇金に殺される」
「闇金がキッカケで命を落とす」
という危険性は、十分にあり得ます。
「万が一」の危険性かもしれません。ですが、その万が一が自分の身に降りかかった時には、もう何もかもが手遅れです。
闇金で借りてしまうことは、本当に命の危険があります。
命を守る行動を、ぜひ、心がけてください。
コメント