闇金の「完済させない手口」一覧

闇金の完済させない手口一覧 ヤミ金解決
山根
山根

闇金解決アドバイザーの山根です。

この記事では、ヤミ金の“完済させてくれない手口”をまとめていきます。

  • 「闇金に完済できない」
  • 「闇金が完済させてくれない」

というのは、ヤミ金被害のよくあるパターンのひとつ。
闇金もあの手この手を使って、さまざまな手口で、完済を阻止し、いつまでも利息を払わせようと画策しています。

そうした手口の一覧をまとめていきます。

高利貸し(トサン、トゴ、トロク、1週間で二割など)

高利貸しとは、法律の制限を超えた、違法に高い金利のことです。どの闇金も、必ずと言って良いほどこの手口を使っています。

代表的な例としては、10日で三割(トサン)、10日で五割(トゴ)、10日で六割(トロク)などが挙げられます。これ以外にも、「一週間で二割」などの金利もありますが、こうしたものも違法な高利貸しです。

高利貸しは、「ヤミ金がボロ儲けする手口」であると同時に、「完済させない手口」でもあります。これほど高い金利だと、元金返済にまわす余裕が無くなってしまうためです。

「返せなくなって当然」という金利であり、だからこそ法律で禁止されていると言えるでしょう。

また、「金利ではなく手数料」と言い張って、事実上の高利貸しを行う手口もあります。給料ファクタリングやamazon商品券買取などの偽装ヤミ金でも使われる手口です。

高利貸しの事例:1

1週間で3割の金利で10万円をヤミ金から借りた。
だが、実際に受け取ったのは7万円。
1週間後の返済日に10万円を返済するよう要求された。

→あらかじめ利息分を差し引いて貸し付ける「利息先引き」という手口です。

高利貸しの事例:2

「ソフト闇金○○は金利も業界最安値!10日で二割のお利息です」

→ソフト闇金は違法な高利貸しです。

高利貸しの事例:3

「弊社は借金ではなく、新しい金融サービスです。借金ではないから金利もありません。手数料はご利用金額の20%です」

→手数料という名目ですが利息と同じです。違法な高利貸しに当該するケースがあります。

押し貸し

押し貸しとは、頼まれてもいない借金を無理やり貸し付け、違法な高金利をのせて返済を請求する手口です。

闇金に口座を知られている場合、この押し貸しの被害にあう恐れがあります。たとえば次のような場合です。

  • ヤミ金で借入をしている
  • 過去に闇金で借りたことがある
  • 闇金で借りようと思って申し込んだがキャンセルした

このような場合、闇金に口座を知られてしまっているため、頼んでもいない融資を押し付けられる「押し貸し」の被害に遭うおそれがあります。

押し貸しは、親切を装って使われることもあります。

たとえば、ヤミ金で借りている人に対して、「あなたも生活が苦しいでしょう、追加融資をしておきましたよ」と親切をよそおって、頼んでもいない融資を、勝手に口座に振り込んできます。

そして当然のように、また違法な高金利での返済を請求してきます。

この手口があるため、仮に一度は完済できたとしても、すぐに無理やり融資されてしまい、また借金地獄に引き戻されてしまいます。

押し貸しの実例:1

闇金から5万円を借りて、一週間後に完済した。

しかしその後すぐに、頼んでもいない10万円がヤミ金から振り込まれ、10日で3割の利息をつけて返済するよう要求された。

押し貸しの実例:2

あるとき気が付くと、身に覚えのない振り込みがあった。
よくわからないがラッキーだと思い使ってしまった。

その後、何年も前に完済したはずの闇金から連絡があり、「先日融資した借金を返せ」と請求され、嫌がらせを受けるようになった。

身に覚えのない振り込みは、闇金からの押し貸しだった。

押し貸しの実例:3

個人融資掲示板でお金を借りようと思い、融資希望の書き込みをしたら、「融資しますよ」と連絡が来た。

個人情報と口座を教えたが、やはり怖くなってキャンセルすると連絡した。

しかし、口座に勝手にお金が振り込まれ、「利息をつけて返済しろ、返さないと写真をバラ巻く」と脅されるようになった。

追い貸し

追い貸しとは、借入元金を不当に膨らませ、完済をさせない手口の一つです。

たとえば返済が遅れた場合の延滞分や、返済にお金が足りない場合の不足分を、“追加融資した”という扱いにし、借入元金を膨らませます。

実際にお金を借りるわけではなく、ヤミ金の帳簿上の処理だけで、勝手に借金を増やされてしまう手口です。

もちろん、こうした理屈はまったくの不当な言いがかりに過ぎません。

後述する「当日連絡」などの手口を組み合わせて、絶対に約束の日に返せないように仕掛けを施したうえで、この「追い貸し」の手口を使われることもあります。

追い貸しの実例

闇金からお金を借りた。5万円融資、利息先引きで3万5000円を受け取り、10日後に5万円を返済する約束となった。

返済する際、かならず当日朝に連絡するよう言われた。
しかし返済当日、闇金に電話をしてもつながらない。

返済方法がわからないので、その日は返済できなかった。

すると翌日、闇金から連絡があり、「なぜ昨日、返済日なのに返済しなかったのか」と追及された。

そして、「昨日返すはずだった5万円は、追加融資したことにする」と一方的に言われ、追い貸しされてしまった。

追加融資と言われてもお金を受け取ったわけではないので、納得がいかなかったが、「約束の返済日に返せなかった自分が悪い」と思い込んでしまい、言いなりになってしまった。

その結果、本来の借入金5万円に、追い貸しの5万円が加えられ、借入元金が10万円になってしまった。

さらにその後も同様の手口を繰り返され、20万円、40万円と借金が倍々に膨れ上がってしまった。

ジャンプ(スキップ)

「ジャンプ」とは、返済日に利息だけを払い、元金返済を先送りにすることです。「スキップ」とも呼ばれます。

その時は利息のみの支払いで良いため一時しのぎにはなりますが、ジャンプ(スキップ)したぶんだけ延びるため、利息の支払いが予定よりも多くなります。

ジャンプ(スキップ)は、非合法なものではなく、一般のカードローンや銀行ローンなどでも、一時的に返済が苦しい場合の解決方法として用いられることがあります。

しかし闇金の場合、必要以上にジャンプ(スキップ)させ、いつまでも利息だけを払わせ、元金返済を受け取らず、完済させない手口として、この方法を悪用します。

ジャンプ(スキップ)の実例

闇金で借金をした。

返済日に連絡をしたら、「あなたもまだ生活が苦しいでしょう。今回は利息だけでいいですよ」と言われて、利息だけを払った。

その時は優しいヤミ金なのだと思っていたが、その後もずっと利息だけの返済を請求され、元金返済を受け取ってもらえない。

もう元金の何倍も利息を払っている。

当日連絡

当日連絡とは、「返済する場合は当日に連絡をするように」と要求する闇金の手口です。

「返済する当日に連絡しろ」と要求しておきながら、実際に返済のため連絡を取ろうとすると、いつまでも電話に出なかったり、LINEに既読がつかなかったりと、連絡が取れません。

そして後日になり、「なぜ返済日に連絡しなかったのか」と因縁をつけ、延滞金や慰謝料などを請求し、さらにそれを“追い貸し”にして借金を膨らませる…といった手口につなげていきます。

当日連絡の実例

「返済する前にかならず連絡をするように」と言われたが、返済日に電話をしてもつながらない。

何度も掛けなおしたが連絡がつかない。仕方ないのでその日はあきらめた。

すると翌日、ヤミ金から電話が掛かってきて、「なぜ昨日連絡しなかったのか」と怒鳴られ、延滞金を課せられてしまった。

完済ブロック

完済ブロックとは、完済させない手口の総称です。この記事で解説するような、完済を阻止(ブロック)するための手口のことを、まとめて「完済ブロック」と呼びます。

また、巧妙な手口だけでなく、シンプルに「完済金を受け取らない」という方法もあります。

「あなたもまだ生活が苦しいでしょ?」
「完済はあとでいいですよ。」

などと親切なふりを装ったり、何かと理由付けをして完済金を受け取りません。

完済ブロックの実例:1

闇金に一括返済を申し出たが、「弊社には一括返済という制度がございません」と言われて、一括返済できなかった。

完済ブロックの実例:2

給料日までのつなぎに、5万円だけ闇金で借金した。

給料日になり、すぐに全額をヤミ金の口座に振り込んで完済した。

しかしヤミ金は、「返済金が振り込まれていない」と言い張り、さらにお金を要求してくるようになった。

延滞金/手数料/慰謝料/損害賠償金などの請求

ヤミ金がお金を請求してくるのは、元金や利息だけではありません。延滞金、手数料、慰謝料、迷惑料、損害賠償金など、ことあるごとに理由をつけて、何かとお金を要求してきます。

  • “当日連絡”の手口でわざと延滞させて、延滞金を請求する
  • 督促の電話を掛けるたびに、「督促手数料」と称して追加費用を請求する
  • 返済が遅れた、融資を断られた、などの理由で、「迷惑をこうむった」「精神的に傷ついた」などと主張し、迷惑料、慰謝料、損害賠償金などを請求してくる

…など、さまざまな場面でこの手口が使われます。

まったく心当たりのない延滞金や手数料をあとから請求されたり、不当な理由で慰謝料や損害賠償金を請求されることもあります。

さらに、それらの請求を“追い貸し”で追加融資したものと扱い、借入元金に繰り入れることで、利息を何倍にも増やして請求してくる手口もあります。

延滞金・慰謝料の実例:1

ヤミ金に完済した。

しかし、「まだ延滞金が残っている」と言われ、さらにお金を要求された。

返済を延滞したことはなく、何かの間違いだと思って問い合わせたが、「確かに延滞金がある」と主張された。

さらに「疑われて傷ついた、慰謝料をよこせ」と言われ、300万円も要求されてしまった。

延滞金の実例:2

身に覚えのない金融業者から、「延滞金」の名目で数百万円も請求が来た。

連絡して確認したところ、相手は何年も前に完済したはずの闇金だった。

「昔の借金がまだ残っており、その延滞金が5年分も溜まっている」と言われ、100万円以上の請求をされた。

損害賠償の実例:3

ヤミ金に申し込んだが、やはり怖くなってキャンセルした。

するとヤミ金から、「こちらは融資するつもりで準備していたので、損害が出た。損害賠償金を払え」と言われて、高額請求を受けてしまった。

キャンセル料詐欺

キャンセル料詐欺とは、闇金に申し込んだ後にキャンセルを申し出た人に対して、「キャンセル料が発生する」等と主張して、不当な請求を行う手口です。

キャンセル料、手数料、人件費などと名目をつけて費用を請求しますが、いずれも不当な請求で、支払義務はありません。

この手口は、ヤミ金から1円も借りていなくても、申し込んでしまった時点で被害を受ける恐れがあります。

完済させない手口としては、たとえば「押し貸し」との組み合わせもあります。完済後に押し貸しをされそうになり、断ったところ「キャンセル料が掛かる」と言われて、結局はお金を請求される…といった被害もあります。

キャンセル料詐欺の実例:1

ソフト闇金に申し込んだが、気が変わったのでキャンセルを伝えた。

しかし、「もう準備してしまっているので、キャンセルされると損害が出る」「キャンセル料で50万円掛かる」と言われて、高額な請求を受けるようになってしまった。

キャンセル料詐欺の実例:2

ヤミ金に完済したところ、すぐに「追加融資をする」と言われた。

もう必要ないので断ったが、「借りないならキャンセル料を払え」と言われてしまった。

こちらが申し込んだわけでもないので納得いかなかったが、相手は闇金なので怖くなってしまい、結局、追加融資を受けるしかなくなってしまった。

カラ貸し

カラ貸しとは、実際には融資を行っていないのに、「借金がある」とウソをついて、返済金を取り立てる手口です。

完済した債務者に対して、「まだ未払いの返済が残っている」といったり、最初から借りていない人に対して「融資をしたので返済しろ」と架空請求をするなど、さまざまな形で使われます。

ヤミ金の被害にあっている場合、「あといくら借金が残っているかもわからない」という状態になってしまいがちです。ヤミ金はさまざまな手口で、借入元金や利息を不当につり上げていくためです。

あといくら借金が残っているか、正確にわからない状態になってしまうため、ありもしない借金を「まだ残っている」と言われても、ウソを見抜くのが難しくなってしまいます。

カラ貸しの実例:1

長年、ヤミ金の借金に苦労していたが、ようやく完済した。

ところが最後の返済を払ってみると、「まだ未払いの借金が残っている」と言われた。

本当かどうか怪しいと思ったが、自分ではわからないので、言われるまま返済を続けてしまった。

カラ貸しの実例:2

ヤミ金の嫌がらせに悩み、弁護士に解決を依頼した。

調べてもらったところ、自分ではまだ借金が150万円もあると思っていたのに、実はとっくの昔に完済していた。

完済後も「まだ借金がある、返済が終わっていない」とヤミ金にウソをつかれて、お金を返し続けていたとわかった。

弁護士が交渉して、ヤミ金に払ったお金を取り戻せたので良かったが、もっと早く相談しておけば…と後悔している。

一本化詐欺/借り換え詐欺/おまとめ詐欺

一本化詐欺、借り換え詐欺、おまとめ詐欺とは、おまとめや借り換えをして返済をラクにすると勧誘しながら、実際には一本化もおまとめもされない手口です。

複数の借金を抱えている債務者に対して、ヤミ金が、「ウチで一本化して返済を楽にしませんか?」「弊社でおまとめすれば、早く完済できますよ」などと勧誘します。

しかし実際には、おまとめや一本化の手続きは何もされません。そのため、借り換え元の借金は今まで通りに残ったままです。

それに加えて、実際には借り換えされていないのに、ヤミ金からは「ウチに一本化した借金を返済しろ」と、取り立てや嫌がらせを受けることになります。

一本化詐欺/借り換え詐欺/おまとめ詐欺の実例

闇金Aと闇金Bから借金があり、困っていたところ、闇金Cから「ウチに一本化しないか」と勧誘があった。

闇金Cは「こちらで話をつけておく」と言っていたので、すべてお任せした。

しかし、闇金Aと闇金Bは、「そんな話は聞いていない」言い、その後も取り立てが続いた。

さらに闇金Cも「ウチで借り換えたから借金を返せ」と言い、嫌がらせをするようになった。

なぜ闇金は完済させないのか

闇金はしつこいほど「借金を返せ」「お金を返せ」と言ってきますが、実際にはこのように、“完済させない”手口をいくつも使ってきます。一体なぜでしょうか。

実は、闇金の「借金を返せ」というのは、本音ではなくウソです。闇金は、借金を完済されたくありません。

闇金にとって借金は、「ユスリ・タカリの道具」です。債務者の“お金を借りている”という立場の弱みに付け込んで恐喝し、不当に利息を払わせ続けることが目的です。

闇金からの借金を抱え続けている限り、闇金はそれをネタにして恐喝を続け、お金を払わせ続けることができます。

利息、手数料、延滞金、遅延損害金、慰謝料、迷惑料など、もっともらしい名目で“いいがかり”を付け、借入元金を完済させないまま、お金を搾り取っていきます。

しかし、完済されてしまうと、闇金もイチャモンをつける口実が無くなってしまうので、あの手この手で完済をブロックしてきます。

闇金の借金は「返せばオシマイ」ではない

このように闇金の借金は、「お金の貸し借り」ではありません。お金の貸し借りを装った、ゆすり・たかり・恐喝です。恐喝のネタとしてお金を貸し付けているだけに過ぎません。

だからこそ、闇金の借金は「返せばオシマイ」ではありません。いつまで経っても、いくらお金を払っても、終わりが来ないのが闇金です。

こうした闇金の被害を終わらせるためには、専門家に助けてもらう必要があります。少なくとも、闇金解決の窓口に相談することだけは絶対に必要です。

コメント