闇金解決アドバイザーの山根です。
昨今、「給料ファクタリング」を名乗るヤミ金の被害が拡大しています。
どのような手口なのか、どう注意すれば良いのか、被害に遭ってしまった場合の解決方法などを解説していきます。
給料ファクタリングは“偽装ヤミ金”の一種です
まずは、給料ファクタリングとは何か解説していきます。
給料ファクタリングは、“偽装ヤミ金”の一種です。偽装ヤミ金とは、合法的な金融サービスであるかのように装っているものの、正体はヤミ金という手口になります。給料ファクタリングも、こうした“偽装ヤミ金”の一つになります。
「給料ファクタリングは借金ではない」はウソ!仕組みは事実上の借金
給料ファクタリング業者は、「借金ではない」「給料債権の買い取りサービス」と主張しています。しかし、これは正しいとは言えません。
給料ファクタリングの仕組み
給料ファクタリングの主張する「給料債権の買い取り」は、どんな取引なのかを見てみましょう。
まず、給料日前に「給料債権」を業者に売って、現金を受け取ります。給料債権とは、かんたんに言えば“給料を受け取る権利”です。
“給料を受け取る権利”を業者に売ってしまうのですから、お給料が受け取れなくなるのでは…?と思えますが、そうではありません。
実際には、いつも通りお給料を受け取ることができます。ただし、受け取った給料の中から、給料ファクタリング業者に売った給料債権のぶんだけ、業者に支払うことになります。
こうした仕組みを、給料ファクタリング業者は「二者間取引」などと言っています。
しかし、これはお金の流れを見れば、「実際はただの借金」です。
給料ファクタリングは、「ただの借金」
給料ファクタリング業者は、給料債権、二者間取引など、なじみのない言葉と難しい理屈をならべていますが、結局のところ、これはただの借金です。
お金の流れを見てみれば、そのことは明らかです。
まず、給料日前に給料ファクタリング業者から、現金を受け取ります。そして給料日になったら、そのぶんのお金を業者に払います。
これは要するに、“給料日前に借金を借りて、給料日に返済する”のと、まったく同じです。
給料ファクタリング業者は「借金ではない」と言っていますが、これはウソであり、おかしな理屈を主張しているに過ぎません。
「借金ではないから金利もなし」実際には手数料が発生
給料ファクタリング業者は、「借金ではないから金利もない」と言っていますが、これも事実ではありません。
給料ファクタリングは、利用すると「手数料」が発生します。利用額の2割程度が相場となっています。これは事実上の利息です。
つまり給料ファクタリングとは、
借金のことを「給料債権の買い取り」と呼び変えているだけ
金利のことを「手数料」と呼び変えているだけ
であり、正体はただの借金です。
給料ファクタリングの違法性と危険性
給料ファクタリングの正体は借金です。言葉をたくみに言い換えているだけに過ぎません。
しかし、一般的なカードローンや銀行ローンなどと違って、給料ファクタリングは危険なヤミ金融です。
給料ファクタリングの違法性
まず、給料ファクタリングはヤミ金、つまり違法な金融業だと言えます。
理由としては、
- 貸金業登録をしていない(無許可営業)
- 利息=手数料が違法な高利貸しになっている
といった点が挙げられるでしょう。
貸金業登録をしていないので、国や都道府県のチェックを受けておらず、適切な営業がされていない危険性があります。
手数料=金利が違法な高利貸しとなっているため、利息の負担が非常に多く、返しきれなくなる恐れもあります。
またこのほかに、「給料債権の買い取り」そのものが労働基準法違反であり、法的に認められないという指摘もあります。
給料ファクタリングの危険性
給料ファクタリングは違法なだけでなく、危険性もあります。
正体は闇金ですから、過激な取り立てや嫌がらせの被害もあります。
また、給料ファクタリングの悪質なところは、“ほぼ確実に、職場を巻き込んでしまう”点でもあります。
実際に、
- 「職場に債務不履行通知という書類が送られてしまった」
- 「職場にしつこい嫌がらせ電話が掛かってくるようになった」
など被害事例も多発しています。
こうしたトラブルに会社を巻き込んでしまい、社内で大問題になったり、立場が悪くなったりする被害もあります。職場で居場所がなくなってしまったり、責任問題になったりして、退職せざるを得なくなるケースもあります。
就業規則違反などトラブルになる恐れも
また、就業規則に公序良俗が定められている企業も多いと思いますが、こうした公序良俗違反などの就業規則違反に問われるかもしれません。
ほかにも、「会社の名誉・信用を著しく毀損する行為」「著しく不都合な行為」にあたるとされ、トラブルになる恐れもあります。懲戒解雇という可能性もありえない話ではありません。
懲戒解雇となれば、次の転職先を探すのも難しくなるでしょう。
給料ファクタリングを利用してしまったら、「ただちに解決」が最重要
給料ファクタリングは、お金の問題だけでなく、職場も巻き込んだ大問題になる危険性を持っています。
万が一、給料ファクタリングを利用してしまったら、ただちに解決を図ることが重要です。
給料ファクタリング=ヤミ金は、「お金を払えば終わり」ではない
給料ファクタリングの正体は闇金ですが、闇金は「お金を払えば終わり」といったシンプルなものではありません。
こうした闇金の目的は、「借金を恐喝のネタにして、延々とお金を払わせ続けること」だからです。
闇金から見れば、完済されてしまうと借金という恐喝のネタがなくなって、おいしいカモに逃げられてしまいます。そう簡単に逃がさないために、「完済ブロック」と呼ばれる様々な手口を使ってきます。
完済したと思ったら、頼んでもいない追加融資を押し付けられ、勝手にお金を振り込まれて、高金利での返済を強要される(押し貸し)
あれこれ理由をつけて元金返済を受け取らず、利息だけを延々と払わせる(ジャンプ、スキップ)
…など、完済ブロックの手口はほかにも多数あります。
給料ファクタリングを本当に解決する方法
お金を払っても、完済しても解決にならない以上、給料ファクタリング=ヤミ金の被害を自分で解決することは不可能です。
そのため、給料ファクタリング=ヤミ金を利用してしまったら、ただちに“闇金に強い弁護士や司法書士”に相談することが必要です。
闇金に強い弁護士・司法書士なら、次のような解決も可能です。
さらに、すでに給料ファクタリング=ヤミ金にお金を払ってしまっている人は、払ったお金を取り戻せる可能性もあります。
こうした解決は、“職場にバレる前に”行うことが大切です。つまり、給料ファクタリング業者の取り立てや嫌がらせが、会社に対して行われる前に、素早く行動する必要があります。
給料ファクタリングに申し込んだ時、勤務先の住所や電話番号なども知られてしまっているはずです。勤務先が嫌がらせに巻き込まれるかどうかは、もはや時間の問題です。
手遅れになる前に、すぐに弁護士や司法書士に相談しましょう。
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