闇金解決アドバイザーの山根です。
個人融資で借りてしまった人の写真や個人情報が、Twitterや掲示板などに“晒される”…。そんな「晒し屋」の被害が急増しています。
そこで今回は、「晒し屋」とは何か、どんな被害があるのか、被害を防ぐためにはどうすれば良いかなど、詳しく解説していきます。
「オマエ次第で子供の写真も載せるぞ」…晒し屋被害の実例
まずは、「晒し屋」について解説していきましょう。
「晒し屋」とは、Twitterなどのネット上で、個人融資やヤミ金の被害者の個人情報を投稿し、公開しているアカウントのことです。
職場の情報、妻や母親の携帯番号も
実際に「晒し屋」の被害にあっている例をご紹介します。
※被害者保護のため、個人情報の特定につながる部分はモザイクを掛けています。
投稿内容のほとんどが、被害者の個人情報となっています。
写真の内容は、左が勤務先関係の書類、右上が健康保険証、右下が免許証です。生年月日、住所、氏名、顔写真、勤務先の情報まで公開されています。
「晒し依頼が来たので晒す」と言っている通り、こうした「晒し屋」は、他のヤミ金や個人融資などから依頼を受けて、被害者の個人情報をネット上にばら撒いているようですね。
もう一つ事例を見てみましょう。
本人だけでなく、勤務先企業の連絡先、母親と妻の氏名、携帯電話番号、銀行口座の情報も晒されています。
「お前次第で子供の写真も載せるど」
と書かれており、子供まで取り立ての被害にあっている様子がわかります。
写真は左側が本人+免許証、右側上が健康保険証、右側下が仕事関係の書類となっています。
このほかにも、女性被害者の赤裸々な写真など、掲載をはばかられるような被害実態も多数あります。
個人融資ヤミ金の被害者なのに、「借りパク」「詐欺師」扱い
この「晒し屋」の手口は、個人融資=ヤミ金の被害者を、「借りパク」「詐欺師」扱いして個人情報をバラ巻くものです。
実際には、
個人融資の正体はヤミ金
借りたら返せなくなって当然の、違法な高金利を掛けられる
個人融資ヤミ金から借りたお金には、法律上も返済義務がない
といった事実があります。
しかし、こうした事実を知らない人が見れば、「借金を借りて返さない人が晒されている」と見えてしまうでしょう。
個人融資の違法性や、「正体はヤミ金」ということは、国の機関である金融庁も発表している通りです。金融庁発表については、次の記事で詳しく解説していきます。
個人融資=ヤミ金という犯罪の被害者なのに、「詐欺師」扱いされて個人情報をバラ撒かれるなんて、本当にヒドいですね。
晒されている「借りパク詐欺師」は詐欺師ではない
「この晒されている人たちは本当に被害者なの?本物の借りパク詐欺師じゃないの?」
という疑問もあるかもしれません。
しかし、もしも本物の詐欺師なら、自分の身分証や顔写真、職場や家族の情報まで、相手に渡して詐欺を働くことはありませんよね。
犯罪者は、違法にお金を貸した「個人融資」のほう
それどころか、犯罪者はむしろ「晒し」をしている個人融資のほうです。貸金業の無登録営業、高金利での融資など、違法行為(ヤミ金行為)をはたらいているのです。
もしも貸した側になんの落ち度もなく、本当に「借りパク詐欺師」の被害に遭ったのだとしたら、普通は警察に行きますよね。
警察沙汰にしたくない場合も、弁護士を入れたり、裁判所に行ったりして、民事でお金を取り戻す方法もあります。
少額訴訟や支払督促という、ほとんど費用の掛からない法的手続きもありますから、「裁判を起こすと費用が掛かるから」という言い訳も通用しません。
職場もわかっているなら、給与差し押さえでお金を回収することも難しくないでしょう。
ですが、こうした正式な手続きを取らず、「相手の個人情報をネットにばら撒く」という行為をしている時点で、おかしな話です。
実際には、個人融資をやっているほう(=お金を貸した側)が違法行為をはたらいているので、警察や裁判所に行けず、正式な債権回収の手続きが取れない…というのが実態です。
「晒し屋」の被害に遭うと?詐欺、ストーカー、性的被害…さらなる危険も
「晒し屋」の被害にあい、個人情報をバラ撒かかれてしまうと、さらなる危険も待ち構えています。
たとえば…
…といった被害が考えられます。
被害者本人が男性でも、妻や娘、子供の情報まで一緒に晒されてしまいますから、そうしたご家族が性犯罪の被害にあってしまう…といった危険も想定できます。
もちろん、「借金のことが周囲にバレて、信用を失ってしまう」という被害もあるでしょう。
職場での立場がなくなってしまったり、家族が離れ離れになったり…と、取り返しのつかない損失につながる恐れもあります。
個人融資で借りたらすぐ解決を
個人融資の正体はヤミ金です。
借りてしまうと、このように、さまざまな取り立て・嫌がらせ・犯罪の被害に遭ってしまいます。
個人融資で借りてしまった人は、被害が大きくなる前に、すぐに解決をはかりましょう。
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